WHO5th Classification/ WHO Blue book-->
MDS-IB_WHO5th.txt
WHO2016分類とWHO2022分類で定義されたMDS患者のサブタイプ間の関係の概要。(Leukemia 2022 Dec;36(12):2875-2882¬eよりの改変引用)*1
WHO4Rで分類された,852のMDS症例がWHO5thでどのタイプのMDSに分類されたかを評価した.
1.Myelodysplastic syndromesの名称が, Myelodysplastic neoplasmに変更された. ただし略語はMDSのまま,据え置きになった.
2.WHO4R(2016)では芽球の割合, 環状鉄芽球(RS; Ring sideroblast)の割合, 異形成の系統数にもとづいた分類であったが, WHO5th(2022)では遺伝子異常を用いた定義に重点が置かれている.
3.分類不能型(MDS-U)のカテゴリが削除された.
遺伝子異常による区分がさらに拡大され、ゲノム異常で定義される3種類のMDS(MDS-5q-, MDS-biTP53, MDS-FS3B1)と形態異常で定義される5種類のMDSにそれぞれ分類される.
ゲノム異常で定義されるMDS
ゲノム異常はGバンド法の核型でわかる染色体レベル, NGSやFISHなどでわかる遺伝子レベルに分類, 評価される.
染色体異常は; 5q- (5番染色体の長腕が1本消失する), 7q欠失/ monosomy7(7番染色体の一部/ 全部が欠失), 3個以上の染色体異常が同時に発生する複雑核型 に注目し分類がおこなわれる.
遺伝子変異はSF3B1, TP53に着目している. WHO分類においてはVAF(variant allele frequency, バリアントアレル比)は議論されず, cut off値も明確な設定はない.
SF3B1変異は形態上, 環状鉄芽球の増加する異形成と密接に共存し, 一般に芽球数が少なく, AMLに進展する頻度の低い低リスクMDSに分類される.
SF3B1変異を伴う低芽球性MDSは, ① SF3B1変異を有する. ② 特定の染色体異常( 5q-, monosomy7, 複雑核型)が存在しない, ③ 芽球割合が少ない(PB≦2%, BM≦5%)のいずれも満たすことが診断に必須である.
SF3B1変異をルーチンに診断できない場合は, Fe染色により, RS≧15%の場合、変異が検出されなくとも診断して良い. その場合は MDS with low blasts and ring sideroblastsと呼ぶことになっている.
TP53変異は複雑核型と共存し, 難治性で予後不良である. 高リスクMDSに分類される. MDS-biTP53はpaternal, maternal両方のアレルのTP53異常があることが診断に必要であり、変異2つ, 変異とLOH, 変異とコピー数異常(欠失)を伴わない(Uniparental disomy UDP)など複数のパターンがある.
#clea
isolated 5q- を伴う低芽球性MDSはWHO5thは、WHO4Rとまったく同じ診断基準である.
① 5q-欠失単独または, monosomy7/ 7q欠失を除く付加的染色体異常が1つあってもよい. ② 芽球割合が少ない(PB≦2%, BM≦5%)の両方を満たすことが必須である.
形態異常で定義されるMDS
Low-blasts;芽球が少ない(PB)2分類--骨髄造血細胞密度 cellularityにより分けられる. ICC分類とはことなり, この2群は, 異形成の有無, 特定の遺伝子異常有無は問わない.
低形成MDS(h);MDS-h/ MDS hypoplastic. 低形成 hypocellular (ca 25%未満,年齢により要補正)
低芽球性MDS;MDS-LB, MDS-low blasts正形成であり, 芽球数が少ない.
Increase blasts;芽球が多い(PB:2-19%以下, BM:5-19%以下) 3分類--増加した芽球の数, 骨髄線維化の有無により分類. 異形成有無や造血細胞系統はこの3分類には使用しない.
線維化を伴うMDS; MDS-f 線維化がみられない場合は以下の2つに分類される.
芽球数(PB:2-4%, BM: 5-9%以下)増加を伴うMDS1: MDS-IB1.
芽球数(PB:5-19%, BM: 10-19%以下)増加を伴うMDS2. アウエル小体を認めてもこの分類にいれる; MDS-IB2
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