CD23/FcεRⅡとCD21はIgE産生とB細胞分化に重要な役割をになっている. (B細胞特異的抗原)
IgE受容体のうち, 低親和性IgE受容体(FcεRⅡ; Low affinity immunoglobulin epsilon Fc receptor)でありC型レクチンファミリーに属する.
高親和性IgE受容体(FcεRⅠ)は主にマスト細胞, 好塩基球, 樹状細胞に発現しI型アレルギー反応を惹起する中心的な分子である.
CD23は主にB細胞に発現し, 抗原-IgE複合体が結合して, IgE産生調節に関与する.
気道や腸管上皮細胞のCD23は抗原-IgE複合体のtranscytosisに関与する.免疫複合体を細胞内に取り込み分解して, B細胞のようにリサイクルして細胞表面に抗原-IgE免疫複合体を発現はさせない.
FcεRⅠ, FcεRⅡ/CD23いずれもIgEのCε3領域と結合する.
NCBI Gene; FCER2 ID2208 @19p1.32
CD23の構造
細胞内部分
N末端から22アミノ酸残基の細胞内部分と26残基の膜貫通部分がある. 細胞内部分の違いで2つのアイソタイプがあり, N末端からMEEGQYSと続くCD23aとMNPPSQとなるCD23b. その後はまったく変わらない. (機能的には細胞内にチロシンがあるかないかでリン酸化がかわるかもしれない.)
CD23aは成熟B細胞に限局し, CD23bは単球, 好酸球などに分布する. 刺激されるとともに細胞内cAMPが増加し, CD23aではPLCの活性化からIP3産生, 細胞内Ca2+濃度が増加し, 増殖へ向かう.
CD23bではPLCの活性化ではなく, iNOS(inducible nitric oxide synthase)活性化とスーパーオキシドの分泌となる.
細胞外支持部分
TMの後, 115残基の線維部分がある. ここには17残基のロイシンがあって7残基間隔で分布するロイシンジッパーが3カ所ある.これを含んだαヘリックスとして組み紐のようにホモ三量体を形成している.
細胞膜からレクチンまでのαヘリックスにあるM(メチオニン)150は切断部位で, ここで切れると糸のきれたレクチン部分が可溶性25kDaのsCD23となる.
切断部位は同定されていないが, 70-150残基のあいだに切れやすいところが3か所あり, 29, 33, 37kDaのsCD23が見つかっている.
レクチン部
分子の半分を占める残りの122残基には6つのシステインがあり, C型レクチンとして球状構造をとる. その先に37アミノ酸のしっぽがある. しっぽにはDGR配列(逆位のRGD配列)があって, フィブロネクチン, フィブリンなどに見られた接着モチーフとして働きうる.
球状レクチンには, リガンドのIgE糖鎖, CD21のD5の糖鎖, CD11b, CD11cの糖鎖などが結合する.
CD23の局在
成熟B細胞と単球, マクロファージが主なCD23の局在細胞.
上記の他, T細胞, 好酸球, 血小板, Langerhans細胞, 胸腺上皮, リンパ節濾胞樹状細胞にも発現する.
B細胞では, IgM, IgDダブルベアリング細胞, またIL-4刺激, T細胞B細胞間刺激による活性化B細胞のマーカとされる
CD23bが上記細胞に広く分布するのに対し, CD23aは休止期B細胞のみに発現する他, EBVに活性化されたB細胞にも強く発現している.
CD23の機能;CD23はリガンドの種類が多く, 発現細胞も多いことから機能は広範囲にわたる.細胞別やリガンドの種類により異なる.
1. B細胞に発現しリガンドがCD21の場合
B細胞の全般的な分化, 増殖に働く. 抗原侵入により抗原抗体補体複合体が形成されると, C3dgにB細胞のCR2(complement receptor2)であるCD21が結合, CD21のD5ドメインに別のB細胞のCD23が結合する. B細胞相互間のhomotypic aggregationとなり, 両方のB細胞が活性化されることになる.
CD23aの細胞内部分には, TyrとSerがあり硫酸化されカゼインキナーゼⅡの結合部位となり細胞内Ca2+濃度上昇とPKC(プロテインキナーゼC)の経路によりB細胞の分化増殖に向い, 抗体産生に結びつく.
2. B細胞でIgEがリガンドの場合
CD23欠損マウスでは,血清IgE値が上昇することがわかっており,CD23はIgE産生に抑制的に働くことが示されている*1
ヒトCD23の解析により,CD23とIgEが結合すると,IgEの定常部領域の一部が構造的に変化し,IgEのFcεRI結合部ドメインがClosed conformationになることで,IgEとFcεRIとの結合が阻害される*2.CD23およびFcεRIの2種類のIgE受容体は異なる性質を持つ.
IgEはFc部位と呼ばれる部位を介して細胞表面のIgE受容体(Fcε受容体)と呼ばれる分子に結合することが知られており、Fcε受容体はマスト細胞、好塩基球、好酸球等の細胞に発現している。Fc受容体に対して抗体が結合し、細胞の細胞内顆粒に蓄えられているヒスタミンなどのメディエーターはFc受容体に抗原が結合することにより誘発され、種々のアレルギー反応に関与している。
IgE受容体にはIgEに対して高親和性を示すFcεRIと低親和性のFcεRII(CD23)が存在する.これらは細胞膜を貫通して細胞内外にまたがっているが、FcεRI はα鎖, β鎖, γ鎖から形成され, 細胞外領域に免疫グロブリン様ドメインを複数個有しており、免疫グロブリンスーパーファミリーに属する。
分泌されたIgEがFcεRIへ結合し,さらに抗原により架橋されダイマーを形成すると細胞内のLynやSykといったチロシンキナーゼが活性化されることで細胞内にシグナルが伝達され,脱顆粒や脂質メディエーター/サイトカイン産生につながる.主に血管透過性亢進,末梢血管拡張や腺分泌の亢進,平滑筋収縮などの作用が生じ,各臓器にて特徴的な症状を呈する.
ヒトではマスト細胞と好塩基球以外に, 樹状細胞, Langhans細胞にも発現し, これらの細胞に発現するFcεRIはα鎖とγ鎖のダイマーから形成される. *3ヒトのFcεRIはαβγ2だけでなく, αγ2の複合体でも細胞表面に発現することが遺伝子導入実験で確認されている.
α鎖は免疫グロブリンスーパーファミリーに属しN末端にリーダーシークエンスをもち, IgEと結合する.
β鎖はリーダーシークエンスが存在せず, 4か所の膜通過部分をもちN末端C末端はともに細胞質内に存在する. β鎖はFcεRIの細胞表面発現とγ鎖を介する細胞内シグナルの増強作用(amplifier)をもつ.
γ鎖はリーダーシークエンスをもちダイマーを形成,Immunoreceptor tyrosine-based activation motifs(ITAMs)を有し, 細胞内シグナル伝達に関与する.
濾胞内外樹状細胞ではなく, リンパ腫細胞にCD23の発現が報告されている悪性リンパ腫/血液悪性腫瘍.
1. Chronic lymphocytic leukaemia/ small cell lymphoma;
2. Mantle cell lymphoma;
3. Follicular lymphoma
FDC meshworkにCD23/CD35, CD21が陽性になるのは有名, 既知のことですが・・・
4. Marginal zone lymphoma;
5. lymphoplasmacytic lymphoma/Waldenstroem Macroglobulinemia
6. Primary mediastinal large B-cell lymphoma, Diffuse large B-cell lymphoma,NOS
縦隔Mediastinal large B-cell lymphomaの大部分(70%)がCD23を強く発現していた. 同じ抗原は非縦隔発生節性 DLBCL(non-mediastinal nodal DLBCL)では, わずか15%, 非縦隔 extranodalDLBCL(non-mediastinal extranodal DLBCLs. )では9%のみに発現している.*15
7. primary cutaneous B-cell lymphoma(large and small cell type)
8. plasma cell leukaemia